経理の人材不足がもたらす影響と解決策
2024年08月30日
前回のブログでは、「経理職のいい人材を採用するためのポイント」について書きました。
売り手市場が続く日本は、多くの企業が人手不足に手をあぐねています。
さらに深刻なのが「人材不足」で、特に経理部門は、知識や経験が必要なこともあり、より一層人材不足に直面しています。
今回は経理の人材不足によるリスクと解決策を紹介したいと思います。
経理部門における人材不足の背景
日本企業の多くが、経理部門での人材不足に直面しています。
経理業務は「人を採用すればいい」というわけではありません。経理には、専門的な知識と実務経験が必要です。
経理に配属される人は、基本的に経験者か簿記などの資格保有者でなければ対応できないのが、経理不足を深刻化させています。
またデジタル化の進展に伴い、経理業務も高度化。従来の業務に加えて、ITリテラシーやデータ分析能力が求められるようになっています。この変化に対応できる人材でなければならないことも、高いハードルとなっているのではないでしょうか。
そしてもう一つ。「地味」「残業が多い」「将来AIに代わる」など、ネガティブなイメージがあることも経理人材が不足している原因でしょう。
人気の高い業務とは言えないのが正直なところです。
経理の人材不足が企業に与える影響
経理とは経営を管理する業務。経理部門の人材不足は、企業全体に大きな影響を与えます。
まず、日常的な会計業務に遅れが生じることで、決算業務や予算管理が滞り、経営判断に必要なデータの提供が遅れる可能性があります。
正しい処理ができていなければ、税務調査で厳しい指導が入るなど、会社にとって大きな問題に発展することもあるでしょう。
さらに不正リスクも考えられます。
経理部門が脆弱であることは、企業にとって非常に大きな問題です。
経理の人材不足への解決策
経理は企業にとってなくてはならない業務です。人材不足だからといって放置しておくことはできません。
ここからは経理の人材不足への解決策を3つ紹介します。
外部リソースの活用
経理業務をアウトソーシングするのも有効な手段です。
アウトソーシングなら、単純作業から知識を必要とする専門的なことまで対応可能。質の高い業務遂行を維持できます。離職の心配もありません。
また繁忙期や決算期のみアウトソーシングに依頼するという使い方も可能なので、忙しい期間に従業員の業務負担を軽減することもできるでしょう。
デジタルツールの活用
経理業務の効率化を図るために、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やクラウド会計ソフトなどのデジタルツールを導入することも効果的です。
定型業務を自動化し、限られた人材を戦略的業務に集中させることが可能となります。
導入コストは必要ですが、長い目で見るとコストダウンにつながることもあるでしょう。
ただし、デジタルツールを入れたから大丈夫というわけではありません。デジタルツールを使いこなせるようにすることやRPAのバージョンアップなども行わなければならないでしょう。
機械に任せられるところは自動化し、そうでないところは人が担当することで、人材不足が解消されるかもしれません。
経理人材の育成
即戦力となる優秀な人材が不足しているのであれば、社内で経理人材の育成をしてみてはいかがでしょうか。
時間とコストはかかりますが、将来的に会社にとってなくてはならない経理人材に成長してくれるかもしれません。
特に若手社員に対して積極的に研修プログラムを提供し、専門知識とITスキルを兼ね備えた人材を育てることが求められます。
まとめ
経理部門の人材不足は、企業にとって大きな課題です。
経理の人材不足は多くのリスクをはらんでいますので、できるだけ早く対応しましょう。
たとえばアウトソーシングを活用したりデジタルツールを導入することで、この課題を克服することが可能です。
経理の人材育成と効率化を通じて、企業の持続的な成長を支える体制を整えましょう。