銀行融資成功のための準備とポイント

2024年07月30日

事業の拡大や円滑な運営を進めるためには、適切なタイミングでの設備投資や運転資金の確保が不可欠。

 

銀行融資は、そのような資金調達の有力な手段ですが、誰もが簡単に利用できるわけではありません。

 

審査に通過しなければ、事業計画の再考が必要となる場合もあります。

 

今回は、銀行融資を成功させるためのポイントや、事前に準備しておくべきこと、避けるべき注意点などについて解説します。

資金調達

銀行融資とは

融資とは、金融機関から借り入れを行うこと。

 

次のような金融機関から受けることが可能です。

 

・都市銀行
・地方銀行
・信用金庫
・日本政策金融公庫

 

どの融資を受けたいかによって、適切な銀行を選ぶ必要があります。

 

都市銀行は大企業が主な取引先であり、小規模企業にとって決済サービス以外のメリットは少ないです。

 

地方銀行は、地域の中堅・中小企業を対象に幅広い融資を提供しており、地域経済の活性化を目指しています。

 

信用金庫や信用組合は、市町村単位での取引を行う非営利法人で、長期的な関係構築が重要です。実績を積み上げていけば、会社にとって強い味方になってもらえることでしょう。

 

日本政策金融公庫は、政府出資の金融機関。起業初期の中小企業向けの融資制度を提供しています。税理士などの専門家に相談することで、適切な融資を受けやすくなります。

2つの銀行融資

銀行融資には主に「プロパー融資」と「信用保証協会の保証融資」の2種類の融資があります。事業の規模や信用力に応じて、適切な融資形式を選ぶことが重要です。

プロパー融資

プロパー融資とは、金融機関が独自の審査基準で直接融資を行う形式です。

 

メリット:金利が低い、融資限度額がない、融資の条件が柔軟、迅速な対応が期待できる
デメリット:信用力が低い企業には審査が厳しい

信用保証協会の保証融資

信用保証協会の保証融資は、信用保証協会が一定の保証を提供することで金融機関が融資を行う形式です。

 

メリット:信用力が低い企業でも融資を受けやすい、信用保証協会が連帯保証人になる
デメリット:金利以外に保証料が発生、手続きが複雑になる

融資

融資成功のポイント

融資可否の判断基準は、決して決算書の内容だけではありません。さまざまな要素を加味して総合的に判断します。

 

融資を成功させる3つのポイントは次のとおり。

 

資金使途の明確化:資金の使用目的を具体的に説明することが重要です。
返済計画の策定:事業計画や収益予測を詳細に立て、返済能力を示しましょう。
経営者の信頼性:経営者の経歴や経営能力、熱意が、審査に大きな影響を与えます。

 

これらのポイントを押さえ、総合的に準備を整えることが融資成功への鍵となります。

融資プロセス

銀行融資の流れは以下のとおり。まずはプロセスを理解しておきましょう。

 

事前相談:まず銀行に事前相談し、必要な書類やプロセスを確認します。
書類提出:必要な書類を揃え、銀行に提出します。
審査:銀行が書類を基に審査を行います。
融資契約:審査を通過した後、融資契約を締結します。

融資の準備

銀行融資を成功させるためには、「必要書類の準備」と「資金繰りの管理」が欠かせません。

 

まず決算書、試算表、資金使途明細、受注明細を揃えておきましょう。これらの書類はほぼ必ず提出が求められ、未提出の場合は信用度が低下してしまうので、事前に用意しておきます。

 

さらに事業計画書と資金繰り表の作成もおすすめします。これらは提出を求められることもありますが、自社の目的を明確にするためにも有益です。現実的かつ柔軟な返済計画を立てることで、金融機関からの信頼を得やすくなります。

 

資料の内容を金融機関に説明するのは社長自身ですので、しっかり説明できるよう準備しておきましょう。このような事前準備が企業の信用度を高め、銀行融資を成功させる秘訣です。

 

税理士やコンサルタントに相談しアドバイスを得ることで、より効果的な準備ができるでしょう。

 

なお、プロパー融資を検討している場合は、定期預金や積立預金などの定期性預金への預け替えもプラスに働くことがあります。

銀行融資成功へのステップ

銀行融資成功に向けて以下のステップを踏むことで、銀行融資の成功率が大幅に向上するでしょう。

 

事業計画の策定:具体的な将来の成長見込みを詳細に計画することが必要です。
信用力の強化:健全な財務状況を維持し、企業の信用力を高めましょう。
関係構築:銀行担当者との信頼関係を築くことが、融資成功の鍵となります。

銀行融資を成功させるためにしてはいけないこと

銀行融資を成功させるためには、避けるべき行動がいくつかあります。

 

まず企業や経営者自身の債務延滞や税金の滞納。クレジットカードの支払い遅延や割賦販売の延滞も、信用情報に悪影響を与えます。税金未納の企業には銀行は融資をしないため、必ず期限内に納税を行うことが重要です。

 

また反社会勢力との関わりを持たないことも銀行融資の基本条件です。

 

これらの点に留意し、健全な経営を心掛けましょう。

まとめ

銀行融資の成功には、適切な準備と戦略が不可欠。

 

今回紹介したように、会社と金融機関との信頼関係の構築や、詳細な事業計画の策定など、ポイントを押さえてしっかりと準備を進めましょう。